Audi S1 e-tron quattro Hoonitron [2022]

2022/11/21
19:00

Audi S1 e-tron quattro Hoonitron [2022] 002

Audi S1 e-tron quattro Hoonitron [2022] 003

かつてないアウディのレースカー、「アウディ S1 e-tron クワトロフーニトロン」の開発方法と撮影の舞台裏が公開された。

「アウディ S1 フーニトロン」とアメリカのドリフトアーティストであるケン・ブロックをフィーチャーした新しい"エレクトリカーナ"ムービーは、わずか3週間で450万回以上視聴されている。
インスピレーションを与える「S1 フーニトロン」は、視覚的には伝説的な「アウディスポーツクワトロ S1」をモデルにしているものの、技術的にはアウディの量産モデルとモータースポーツからの電動ドライブトレーンのハイライトを組み合わせている。

プロジェクトの開始から8か月も経たないうちに、「S1 フーニトロン」は最初のテスト走行およびケン・ブロックと彼のチームとの撮影の準備を整える必要があった。
これは、ドイツ・ネッカーズルムのアウディスポーツとアウディデザインにとって野心的なプロジェクトとなった。
そして3週間前に"エレクトリカーナ"ムービーが公開されて以来、何百万人もの人が「S1 フーニトロン」がアメリカ・ラスベガスの街道やカジノと駐車場をケン・ブロックの運転でドリフトする様子を目にした。

かつてないアウディの完全電動プロトタイプに関する事実と数字は次の通り。

バランスのとれた重量配分と寸法

前後アクスルの重量配分は、52:48。
ホイールベースは2.4m未満で、これは例えばアウディのエントリーレベルモデルである「アウディ A1 スポーツバック」の2,563mmよりもかなり短い。短いホイールベースはヨーモーメントつまり垂直軸を中心に回転することに有利に働き、これによりコーナリング時の俊敏性が向上する。
前後のアクスルにはマクファーソンストラットを採用し、200mmを超えるスプリングトラベルを備えたサスペンションは、ジャンプを含む極端な要求に対応するよう設計されている。
この基本コンセプトにより、「アウディ S1 e-tron クワトロフーニトロン」はさまざまな地形でのドリフトやスタントに理想的な特性を備えている。

ドライビングにダブルの喜びをもたらす電動パワーハウス

「アウディ S1 e-tron クワトロフーニトロン」の全輪ドライブトレーンは、完全電動。前後のアクスルはそれぞれモータースポーツに由来するモータージェネレーターユニット（MGU）によって駆動される。
これら2つのユニットの重量は、トランスミッションを含めて55kgしかない。
アウディのPHEVモデルからのリチウムイオンバッテリーを4個搭載し、各容量14.4kWh、合計57.6kWhで、ドライブトレーンシステムに電力を供給。システムは800Vで動作する。

十分なトルクとパワーを備えた完璧なアスリート

前後アクスルの電動パワー配分は完全可変。ドライバーの望みに完全に合わせることができ、セルフステアリング動作に正確な影響を与えることができる。
各MGUは250kW（340馬力）の出力と320Nmのトルクを発生。これにより、合計出力は500kW（680馬力）、トルクは640Nmになる。
電気モーターは最高回転数が28,000rpmに達するため、エンジニアリングチームはドリフト用に約12:1のギア比を設定。損失を考慮しても、これは各アクスルで約3,000Nm、合計で6,000Nmのトルクになる。
この信じられないようなトルク値のおかげで、ケン・ブロックは見事なドリフトを実現し、時速200km/hを超えるホイールスピードを達成することができる。
アウディのモータースポーツの長い歴史の中にあって、これらの機能と特別な目的の組み合わせはユニークなもの。