Audi LMDh concept [2021]

2021/05/01
19:00

アウディが公開した、新しいスポーツプロトタイプ「アウディ LMDh コンセプト」のイメージ。

アウディは、2023年シーズンに電動スポーツカーで『ル・マン』とスポーツプロトタイプレースに復帰する。
最初のレースは、2023年1月に開催される『デイトナ24時間耐久レース』を予定。
成功を収めた「アウディ R18」の後継となる新しいプロトタイプマシンは、すでに形になっている。

新しいスポーツプロトタイプカテゴリーのLMDhは、アウディのモータースポーツにおける新しい目的に完全に適合する。
このレギュレーションにより、アウディスポーツは世界中の権威あるレースに魅力的なレースカーを送り出すことができる。

「アウディ R18」の後継マシンは、フォルクスワーゲングループ内の姉妹ブランドであるポルシェと緊密に協力して構築される。
フォルクスワーゲングループの大きな強みは市販車の開発におけるブランドのコラボレーションであり、この実績あるパートナー戦略の相乗効果をモータースポーツでも活用している。
それにもかかわらず新しいスポーツプロトタイプは、ポルシェと共有されたプラットフォームに基づき開発され、最近発売された「アウディ RS e-tron GT」と同じくらい真のアウディとなる。

現在アウディスポーツでは、新しいLMDhカテゴリーのスポーツプロトタイプは、『ダカールラリー』参戦へ向けた革新的なSUVと並行して制作されている。
2022年1月の『ダカールラリー』まではあと8か月足らずであり、ダカールチームはより大きな時間的プレッシャーにさらされている。
しかし、『ル・マン』への復帰にも完璧に対応するため、両方のプロジェクトを最優先で並行して実行している。

この間に、すべての基本的なコンセプトは決まった。
シャシーパートナーを選択し、エンジンのコンセプトを決定。そして現在、アウディ・デザインの同僚と一緒にファンを興奮させる外観を定義した。
アウディスポーツでは、最初のプロトタイプを来年初めに稼働させ、第1四半期にロールオフを完了させることを目標としている。
集中的なテストプログラムは2022年に続き、最初のレースは2023年1月にアメリカで開催される『デイトナ24時間耐久レース』を計画している。

コスト効率を最大化するために調整されたLMDhのレギュレーションはスポーツプロトタイプの初期の哲学を継続しており、アウディの新しいスポーツプロトタイプをカスタマーチームにとって魅力的なものにする。
「アウディ R8」は2000年から2006年の間に当時最も成功したプロトタイプであり、80レースで63回の勝利を収めただけでなく、カスタマーチームにとっても扱いやすいものだった。
これは新しいスポーツプロトタイプの電動化の前提でもあり、アウディはワークスチームの参戦と並行して最初からプロのカスタマーチームへマシンを届けることを目標にしている。社内では現在、このことがどのように機能するかを詳細に評価している。

『ル・マン24時間耐久レース』、『デイトナ24時間耐久レース』、世界耐久選手権（WEC）、IMSAシリーズでアウディと総合優勝およびチャンピオンシップタイトルを争うことができることは、多くのチームにとって魅力的な展望。
新しいLMDhレースカーには、すでに多くの関心が寄せられている。

アウディは世界で最も重要な耐久レースである『ル・マン24時間耐久レース』で13回優勝しており、最長距離記録も保持している。
アウディのカスタマーチームは、2004年と2005年に『ル・マン24時間耐久レース』で総合優勝を記録した。