Audi AI:TRAIL quattro [2019]
- 2019/09/15
- 19:00
![Audi AI TRAIL quattro [2019] 001](https://blog-imgs-130.fc2.com/a/u/d/audiwp/20190912234123059s.jpg)
![Audi AI TRAIL quattro [2019] 002](https://blog-imgs-130.fc2.com/a/u/d/audiwp/2019091223412601as.jpg)
![Audi AI TRAIL quattro [2019] 003](https://blog-imgs-130.fc2.com/a/u/d/audiwp/20190912234129cb8s.jpg)
![Audi AI TRAIL quattro [2019] 004](https://blog-imgs-130.fc2.com/a/u/d/audiwp/201909122341294e5s.jpg)
![Audi AI TRAIL quattro [2019] 005](https://blog-imgs-130.fc2.com/a/u/d/audiwp/20190912234131a4fs.jpg)
![Audi AI TRAIL quattro [2019] 006](https://blog-imgs-130.fc2.com/a/u/d/audiwp/20190912234131943s.jpg)
アウディが『IAA 2019 フランクフルト・国際モーターショー』に於いて発表したコンセプトカー、「アウディ AI:トレイル クワトロ」。
大自然の中でもエミッションフリーで運転することができる、未来の道路輸送のための電動オフローダー。
アウディの将来を見通したコンセプトカーとして「AIcon」、「AI:RACE(PB18 e-tron)」、「AI:ME」に続きカルテットを完成させる。
4人乗りの「AI:トレイル クワトロ」は、自動運転能力と優れたオフロード性能を兼ね備えている。
キャビンを囲むガラスは地面近くまで伸びており、他に類を見ない全方位の視界を提供。
十分なバッテリー容量により、充電ステーションの密なネットワークから離れていても十分な航続距離を確保する。
モデル名の「トレイル」の部分は自然を探索するという考えを呼び起し、舗装路から離れた革新的な運転体験をもたらす電気駆動によるオフロードコンセプトを表現。
そのため、TVのストリーミングやビデオ会議に用いる大画面のディスプレーは搭載されず、代わりに広いガラス面が周囲の明確な視界を提供する。
「AI:トレイル クワトロ」は、電気駆動システムを搭載した一連のコンセプトカーの4番目のモデル。
2017年の『フランクフルト・国際モーターショー』発表された「AIcon」は、高度に自動化された長距離移動のためのラグジュアリークラス。
2018年にぺブルビーチでデビューしたレーストラック向けのモノポスト「PB18 e-tron」は、現在はファミリーの一部であることを示す「AI:RACE」のモデル名で呼ばれる。
2019年の『上海モーターショー』で発表された「AI:ME」は、世界中の大都市を対象とした自立型のシティカー。
今回発表された「AI:トレイル クワトロ」には、4つの電動モーター、アシスト運転または自動運転のためのシステム、四輪駆動のクワトロシステムを装備し、非整地走行の将来を見通した可能性を開いている。
これら4台のコンセプトカーは持続可能な駆動システムとボディラインという概念だけでなく、それは将来に実行される。
またアウディは全く新しいモビリティコンセプトも具現化。それは現在の車とは異なり幅広い用途と筋書きの間で妥協する必要がなくなり、代わってより具体的な用途向けに未来の車を設計することが可能になる。
将来的にはユーザーは個人の好みや要件に合わせて、これらの特別なモデルをアウディ・オンデマンド車両プールから注文し一定期間リースすることができる。
その過程で今日のプレミアムセグメントで当然と考えられているハイレベルのカスタマイズ性は失われない。これは車をリース用に構成および装備する過程でユーザーが利用可能なすべての情報と設定を考慮することができるためであり、車を予約したユーザーは希望する車両を利用できるだけでなく個人の好みに合わせて構成することもできる。
カラーやインテリアおよび技術的なオプションは、アプリまたはmyAudiシステムに保存されている運転者のプロフィールを使用して事前にオンラインで構成可能。さらに運転者が好む車内温度や人間工学に基づいた完璧な座席調整、および個人の音楽ライブラリも乗車時にはすでに有効になっている。
このオファーは便利で使いやすく、車の注文やユーザーの個人的な好みの設定、および移動中に利用できる多数のオプションとの接続はシンプルなアプリを経由して行われる。
ボディサイズは全長が4.15m、全幅が2.15m、全高が1.67m。
22インチのホイールと850mm径のタイヤは静止している状態でも優れたオフロード性能を示唆し、印象的な34cmの最低地上高により水深50cm以上でも走行可能。
この構造により起伏や岩の多い地形でも床下に組み込まれたバッテリーユニットが地面と接触することはなく、十分な俊敏性を提供する。
キャビン自体は多角形の広大なガラスに囲まれ、最大4人が乗車できるスペースを持つ。
「AIcon」や「AI:ME」との関係性を示す特徴的な機能の一つは、峰が隆起したサイドウィンドウ。このラインはフロントからリアまで続き、一枚岩のようにボディ全体を一体にするウエストラインとして機能する。
また車軸の周辺に配置される電気駆動システムや床下に配置されるバッテリーにより、モーターやバッテリー用のオーバーハングセクションや個別のアタッチメントは必要ない。
アウディの将来を見通したコンセプトカーは、ワンボックスデザインが電気自動車時代の主流になりつつあることを実証している。
軽量で最大限の剛性を持つボディは、もちろんオフロード向けの車の重要な技術目標となる。
「AI:トレイル クワトロ」のボディはハイテクスチールとアルミニウムやカーボンファイバーによる複合構造でできており、大容量のバッテリーを搭載するにもかかわらず車重はわずか1,750kg。
車内の形状は機能に従い、サイドウィンドウの峰は客観的に乗員が最も必要とする肩や肘の周りのスペースを提供。
またサイドウィンドウが下方に伸びる形状により前後のタイヤ間でも地面に向かって開けるため、主観的に最も知覚する豊かな空間が提供される。ここでのデザイナーの目的は車内の人々に自然とその周辺への最高の視界を提供し、車の中と外の世界の境界を打ち破ることだった。
走行中でも乗員は単に前方の地形に集中するだけでなく、自由に見渡したり周囲の空間の細かい部分に触れることができ、「AI:トレイル クワトロ」では乗員はリラックスして静穏を楽しむことができる。
フロントガラスはヘリコプターのように車の前面を包み込み、前方または側方に遮るもののない眺めをもたらす。
またフロントガラス上部からリアスポイラーまでのルーフはほぼ全域が透明のガラスで覆われ、空と風景をはっきりと見ることができる。
フロントの八角形のシングルフレームもガラス製となり、4リングのエンブレムのみが通常の位置に印される。
フロントガラスとテールゲートの両方には大きな空間があり、荷物固定用ストラップ付きの収納区画に簡単にアクセスでき、移動中に荷物を安全に保つ。リアバンパーにはハイキングブーツや登山用具および濡れた服など汚れたアイテムのための別の収納区画が組み込まれている。
ドアの下にあるサイドシルは格納式のランニングボードとして機能し、これによりルーフラックの着脱が容易になる。
ホイールハウスは水平フェンダーに置き換えられ、走行中でも室内からサスペンションの動作を確認することができる。
ボリュームのあるトランスバースリンクとマクファーソン式サスペンションストラットはコイルスプリングとアダプティブダンパーを備え、適切な堅牢性と安全な走行安定性を確保。
特殊なデザインのタイヤは一見すると高いサイドウォールまで続くように見えるものの、その背後にはトレッドおよび実際の表面に統合された支持構造があり、このデザインによりサスペンションに加えてタイヤ自体がさらに60mmのサスペンショントラベルに貢献。これによりオフロード性能の改善だけでなく、乗員にさらなる追加の快適性をもたらす。
タイヤにはセンサー制御式の可変空気圧調整機能が備わり、光学センサーとエレクトロニックスタビリゼーションコントロール(ESC)が連携して路面の状態を検出し、それに応じてタイヤの空気圧を調整。トラクションに関しては砂の上を走行するときなどは空気圧を下げてタイヤの接地面を増やし、アスファルトの上を走行するときは空気圧を上げることで走行安定性が向上する。
「AI:トレイル クワトロ」のインテリアは整頓され広々としており、目に見えるコントロール要素はわずかしかない。
前列には快適な印象の繊細なシートがあり、どちらにも4点式シートベルトが装備されている。
シートクッションと低いダッシュボードのレベルまでのインテリア上部は、明るい色で包まれ解放感は高い。
ステアリングホイールやペダル、いくつかのボタン、車内機能やナビゲーションの表示と制御のためにステアリングコラムに取り付けられたスマートフォンなど、これらすべてはドライバーと車の相互作用のための要素。
ブルーとグレーの表面と素朴な色調を持つ全体のカラーコンセプトは、車内と周囲の自然との繋がりを協調。
触覚もこの知覚に追加され、機能的な品質を示す粗い粒状の表面を持ち、収納区画の滑らかなウールフェルトは心地よいコントラストを提供する。
また以前のコンセプトカーと同様にアウディのデザイナーは「AI:トレイル クワトロ」でもリサイクル素材を使用。カーペットはリサイクルされたレザーを再加工したウールで作られ、持続可能で耐久性があり優れた音響特性と耐候特性を備えている。
フロントガラスとシートと間の収納スペースへは外からフロントガラスを開けて荷物を積み込むこともでき、シートベルトリトラクタによりテンションストラップには常に最適な張力が与えられる。
2列目の座席はハンモックのようなデザインの斬新な形状をしており、持ち運び可能なパイプフレームに取り付けることでファブリック製パネルが快適な座面と背もたれおよび横方向のサポートを提供。
これらのシートは「AI:トレイル クワトロ」から取り外してアウトドアチェアとして使用することもできる。
「AI:トレイル クワトロ」は従来のヘッドライトに代わり、内蔵型の光源がAピラーの下にあり車外と室内の両方を照らす。
このLEDエレメントは調光および調整可能であり、室内照明だけでなく車の進路を照らすライトにも使用できる。
車幅全域に広がるテールライトも同様に動作し、ラゲッジスペースを照らしたり、特徴的な車外での照明としても使用できる。
従来のロービームとハイビームは、マトリックスLEDエレメントが統合された合計5台の電動ドローンに置き換えられる。この三角形のローターレスドローンは、ルーフラックまたはルーフに直接着陸し誘導充電要素にドッキングされる。
アウディ・ライトパスファインダーと呼ばれるドローンは、ブレードレスファンが空気の流れを作り出すのと同じ方法で揚力を生成。非常に軽量なデザインのため動作中にエネルギーをほとんど消費せず「AI:トレイル クワトロ」の前を飛ぶことができ、前方の経路を照らし完全にヘッドライトから置き換えられる。また必要に応じて搭載されたカメラからの映像をWi-Fi経由でドライバーの前のディスプレーに送信でき、パスファインダーを空からの目に変える。
「AI:トレイル クワトロ」が停車している場合にドローンは屋根の上から周囲を照らすことができ、たとえば車の横でピクニックを楽しんでいるときの照明として、また車内にいる事を好むときには透明なパノラマルーフを通してインテリアを照らすこともできる。
「AI:トレイル クワトロ」によって完全に自動で調整されるドローンは通常少なくともペアで飛行し、必要に応じて追加の光源を提供したり、最大5台でグループを形成し車の周囲を照らすこともできる。また乗員はスマートフォンの制御ソフトを使用して希望する動作を設定可能。
アウディ・ライトコンパニオンも同様に利便性が高い。
これは大きな懐中電灯のような形状をした光源であるにも関わらず、はるかに幅広い機能を備えている。
通常はシートの前面にマグネットで取り付けられており、アンビエントライティングとして機能。一方で「AI:トレイル クワトロ」から離れるときに携帯することもできる。
本体のハウジングには3本の脚が組み込まれており、ライトを所定の位置に立ててキャンプファイヤーライトにしたり、近距離投光照明に変えることができる。
また前方をスキャンしたり風景のビデオを撮影することができる複数のカメラが内蔵され、これらの映像はソーシャルメディアに直接アップロードできる。
アウディ・ライトコンパニオンの才能はこれだけに留まらない。ナビゲーションシステムと統合すると方向を示すシンボルや様々な情報をルートに投影することができ、これによりユーザーがハイキングの際に自分のルートを見つけることに役立つ。
「AI:トレイル クワトロ」の名前は、「AI:ME」や「AIcon」と共にアウディの革新的なモビリティテクノロジー群全体を束ねる新しい2文字の略語である"AI"を持つ。
アウディ・AIはドライバーへの負担を軽減すると同時に、車内で過ごす時間を活用する新しい方法を提供する様々な電子システムの総称。
この目的のためにアウディ・AIは人工知能と機械学習の分野の戦略と技術を使用し、最初に自動運転を可能にする車両知能と車を乗員のパートナーに変える相互作用知能を組み合わせている。
アウディ・AIシステムは学習と思考が可能であると同時に、積極的で個性的。これによりアウディのモデルは将来的に知的で共感性のあるものになる。
アウディ・AIは周囲や乗員と継続的に対話することができるため、これまで以上に優れた方法で自分自身に適応する。
「AI:トレイル クワトロ」はレベル4までの自動運転が可能なように設計されている。
レベル4は自動運転を促進するための標準化された国際規格で2番目に高いレベルとなり、このカテゴリーのシステムはドライバー側の操作を必要としないものの、その機能は高速道路や適切なインフラを備えた都市部など特定のエリアに限定される。
これらの場所ではドライバーは運転操作のすべてをシステムに委ねることができ、定義されたエリアを離れる場合のみ操作を再開する必要がある。そのため「AI:トレイル クワトロ」には従来のステアリングホイールとペダルが装備され、少なくとも整備された道路を離れる場合にドライバーはそれらを必要とする。
今日では未舗装のダートトラックや森の小路でさえデジタル地図によって広範囲にマッピングされているものの、頻繁に表面が侵食されるため確実に自動化して長時間にわたってデジタル化することはできない。そのため未舗装の道路では例外的な場合と低速でのみレベル3の範囲で自動運転が可能になる。
しかしセンサーと運転支援システムはサポートを続ける。まず第一に車載エレクトロニックスタビリゼーションプログラム(ESP)用の実証済みセンサーシステムがあり、摩擦とスリップの係数や縦および横方向の加速度に関するデータは走行安定性を最適化するために必要なすべての情報を電子機器に提供。
路面と障害物の両方を検知できる様々なセンサーもあり、カメラやレーザーなどの光学システムおよび超音波やレーザーとして動作する。
これらが提供するデータによりセントラルドライバーアシスタンスシステムは、必要に応じてステアリングとブレーキの操作に介入することで衝突の危険を回避できる。
電子制御はまた不整地を克服するドライバーを支援。
たとえば車が傾斜している場合や特に困難な斜度を走行する場合に、システムは必要に応じて地上高や制御が困難なアプローチアングルなど限界を超えようとしているときにドライバーに警告を発する。
またシステムの制限内でクルーズコントロールと連携して動作するレーンキープアシストは、状況に応じてレベル2の自動運転になる。ただしドライバーは常に注意を払う必要がある。
スマートアシスタンスシステムは効果的なサポートを提供し、安全性の向上を確実にするとともにドライバーの負担を大幅に軽減させる。
「AI:トレイル クワトロ」の性能と仕様は従来の自動車とは著しく異なる。
それは開発にあたってはアウトバーンで驚くほど速い加速を達成したり、息をのむような最高速を達成することが目的ではなかったため。
「AI:トレイル クワトロ」が充電インフラの限られたエリアでの使用を目的としていることを考慮すると、本当に注目すべきはその航続距離となる。
リチウムイオンバッテリーの容量は舗装路またはオフロードにおいて、WLTPサイクルで400~500kmの航続距離を実現することを目標としている。
荒れた地形ではホイールのスリップ量が多くなりエネルギー消費量が上昇することを意味するが、航続距離は依然として印象的な250kmを達成。
これらの要件を満たすために最高時速は130kmに設定され、車載の電子機器はエネルギーの流れと消費量を継続的に監視し、オフロードでの走行に於いても最大限の経済性を確保する。
駆動システムに関して「AI:トレイル クワトロ」には、4つの電動モーターがホイールの近くに搭載され、それぞれ1つのホイールを駆動。典型的なアウディと同様に、真のクワトロとなる。
最大システム出力は320kW(435馬力)、最大トルクは1,000Nmを発揮。しかし通常はこのパワーのほんの一部だけが使用され、多くの場合1つのアクスルだけでも十分。
各ホイールは個別に駆動されるため、エネルギーを消費するディファレンシャルやロック機構を必要としない。また適切に計算された最高時速により、ギア比は多段変速機がなくてもすべてのホイールに十分なトルクを配分できるように設定されている。
走行安定性とトラクションを調整する電子制御は、エネルギーを消費するスリップを回避できる場合に影響を受けるホイールへのトルク供給を減少させる。
ただし摩擦係数の低い上り坂などスリップが役立つ状況では、システムが自動的にスリップを許容。
「AI:トレイル クワトロ」の多大な余力は、自信を持って安全かつ常にゼロエミッションにより困難な状況を克服することができる。
Audi アウディ マイスターベアキーホルダー(トレッキングVer)