Audi Q5 55 TFSI e quattro [2020]

2019/05/23
19:05

アウディが発表した、「アウディ Q5 55 TFSI e クワトロ」。

アウディの新しいプラグインハイブリッドモデル最初の1台となる「Q5 TFSI e」は、スポーティーで効率的。
駆動コンセプトはTFSIエンジンとパワフルな電気モーターで構成され、日常のほとんどの走行距離を電気のみでカバーする。
またドイツでは電動モビリティ法に基づくEナンバープレート制度の対象となり、オーナーは税制上の優遇と自治体での交通特典を享受することができる。

印象的なハイブリッドSUVの新しい駆動コンセプトは、252馬力＆370Nmを発生するターボチャージャー付き4気筒ガソリンエンジン「2.0 TFSI」と電気モーターの組み合わせ。
永久磁石同期モーター（PSM）は、105kW（143馬力）の最高出力と350Nmの最大トルクを有する。
モーターとセパレーティングクラッチは7速Sトロニックトランスミッションに統合され、駆動力をクワトロドライブトレーンに伝達するためにウルトラテクノロジーを使用。

最高出力： 367馬力
最大トルク： 500Nm @ 1,250rpm
燃料消費： 47.62km/L
CO2排出量： 46g/km

0-100km/h加速： 5.3秒
最高時速： 239km/h

WLTPサイクルにおける電気のみでの航続距離は40km以上。
電気モードでの最高時速は135km/hと、高速道路での運転にも十分。

リチウムイオンバッテリーはラゲッジルームの床下に配置される。
これは104個の角型セルで構成され、381Vの電圧で14.1kWhのエネルギーを蓄える。
最適な温度管理のために、その冷却回路はエアコンシステムの冷却回路と接続されており、電気モーターとパワーエレクトロニクス内の冷却回路も統合されている。
エアコンシステムは、高電圧部品からの廃熱を蓄える高効率のヒートポンプを使用。1kWの電気エネルギーで最大3kWの熱量を生み出し、車の効率化と室内の快適性を提供する。

「Q5 TFSI e」は、効率性を最適化したクワトロシステム（四輪駆動）を採用。
電気モーターとウルトラテクノロジーを組み合わせて使用するのは初めてとなる。
四輪駆動システムのインテリジェントコントロールは、センサーとドライビングダイナミクスおよびドライバーの操作について収集されたデータを継続的に分析し常に先を見越して予測的に機能。これにより低負荷で路面との摩擦係数が十分な場合は後輪への動力伝達は停止され、ドライブトレーンは高効率の前輪駆動として動作する。
四輪駆動システムは必要でない場合は停止しているが常に利用可能。システムは自動で高速起動し、それは予防的、予測的、対蹠的の3段階の戦略で実行される。
クワトロシステムはアウディ・ドライブセレクトとネットワーク化され、ドライバーはエンジン特性だけでなく四輪駆動の特性も個々の好みに合わせて調整可能。

「Q5 TFSI e」は、特に静かなゼロローカルエミッションから、長距離旅行での長い航続距離、または内燃エンジンと電気モーターの組み合わせによるスポーティーなダイナミクスまで多彩なドライブモードをインテリジェントに管理。
このコンセプトは、オーナーが毎日の運転の大部分を電気で走行することができるように設計されている。

予測効率アシスタント（PEA）は、コースティング回生動作を目の前の状況に応じて調整。
ナビゲーションデータベースからの予測ルート情報や、カメラとレーダーからの信号を使用して前方の車両までの距離を監視する。
システムは状況に応じてエンジンを停止した状態でのフリーホイール走行から、運動エネルギーを回収し電気エネルギーに変換するコースティング回生までの間を予測的に選択。
アダプティブクルーズコントロール（ACC）が作動しているときは、PEAは効率性と快適性を向上させる目的で自動的に加減速を行うことでドライバーをサポートする。一方でACCが作動していない場合、アクティブアクセルペダルからの触覚信号とコックピットおよびヘッドアップディスプレーの視覚信号が、できるだけ多くの運動エネルギーを利用するためにアクセルをオフにするための適切な時間を示す。同時にコックピット内のシンボルは速度が低下した理由を、制限速度、標識、カーブや下り坂、交差点、高速道路出口、前方の交通の指標から示す。

ドライバーは、エンジンと電気モーターによる相互作用の介入方法を3種類の運転モードから自由に選択することができる。
"ハイブリッド"モードはナビゲーションシステムのルート案内と同時に自動的に有効となる。このモードでは燃料消費量を減らすためにバッテリーの充電量がルート上で最適に分配され、主に都市部や渋滞時に電動走行となる。
システムは、エンジンを停止した状態でのフリーホイールとコースティング回生のどちらかを選択。コースティング回生は最大25kWの電力を回生でき、電気モーターは0.1Gまでのすべての軽度な減速でエネルギーを回収。すなわち日常運転で大部分の減速を担う。最大0.2Gの減速時には最大80kWの電気エネルギーが回生によって生成され、より大きな減速時にはディスクブレーキが使用される。
"MMI"ナビゲーションシステムにおいてルート案内が実行されている場合、予測動作戦略はルートの最後の都市部を電気のみで走行し、駆動用バッテリーのほとんどを空にして目的地に到着することを試みる。
制御機能は膨大なデータに基づいており、これらにはオンライン交通情報、目的地までの距離、選択したルートの特性、制限速度、道路の種類、上り坂や下り坂の斜度、車載センサーからの最新情報、ナビゲーションデータからの周辺に関する正確な情報などが含まれる。
"ハイブリッド"モードの他に、ドライバーは"EV"モードまたは"バッテリーホールド"モードを選択することができる。
始動時の基本設定となる"EV"モードでは、ドライバーがアクティブアクセルペダルの可変知覚ポイントを超えて踏み込まない限り駆動バッテリーの電気のみで走行する。
"バッテリーホールド"モードでは、バッテリー容量がその時点のレベルに保たれる。

主な標準装備は、LEDヘッドライト、スポーツシート、3ゾーンオートエアコン、コンビニエンスキー、カラーディスプレー付きドライバーインフォメーションシステム（DIS）、PHEV専用ディスプレー、5アームタービンデザイン・18インチホイール。
リアシートは前後方向にスライドさせることができ、シートバックの角度調整も可能。
スポーティーなディテールがダイナミックな外観を引き立てる"S line"エクステリアパッケージには、フロント＆リアの"S line"バンパー、ダーククロームの様々な要素を持つユニークなデザインのシングルフレームグリル、ダブルクラスプ付きリアディフューザーが含まれる。

「Q5 TFSI e」には、公共充電スタンドで使用可能なType2プラグ付きMode3ケーブルによるコンパクトチャージングシステムプラスが標準装備される。
コンパクトチャージングシステムは家庭用および工業用ソケット用のケーブルとコントロールパネルで構成され、このシステムはLEDステータス表示、温度や残留電流の監視など安全機能も備えている。
またアウディはオプションとして、チャージングシステムを固定可能な壁掛けホルダーの充電クリップを提供。
CEE工業用コンセントでは最大7.4kWの電力でリチウムイオンバッテリーを充電することができ、満充電にかかる時間はわずか2時間半。
220Vの家庭用コンセントでは空の状態から約6時間で満充電となり、一晩で便利に充電できる。
外出先での便利な充電も可能。アウディ独自の"e-tron"充電サービスは、ヨーロッパの約10万か所の充電ポイントへのアクセスを提供し、プロバイダーに関係なく1枚のカードで充電を開始できる。

オーナーはmyAudiアプリを使用することにより、スマートフォンでアウディ・コネクト機能のサービスを利用することができ、これは電動モデルで特に実用的。
アプリではバッテリーの状態や残量を確認したり、充電プロセスの開始や充電タイマーの設定や、充電と消費の統計の表示も可能。
さらにアプリと"MMI"ナビゲーションの両方のルートプランナーに充電ステーションが表示される。

myAudiアプリのもう一つの機能は、乗車前のプレ空調。
これは車内のエアコンシステムのコンプレッサーと補助ヒーターに電力を供給させることができ、バッテリーが充電されている間に暖房または冷房をどのように制御させるかを正確に決めることができる。
このことは選択した装備に応じてステアリングヒーター、フロント＆リアガラスやミラーのヒーター、シートクーリングにも当てはまる。

「アウディ Q5 55 TFSI e クワトロ」は、現在ドイツでの受注が開始され、2019年の第3四半期に市場への導入が始まる。
ベース価格は、60,450ユーロ。